かながわIQ(エアギタージャパン会長/2006年エアギター世界大会16位)
ただ事ではない。完璧にヤラれたのである。この映画を見て自分が何故エアギターに全てを捧げる気持ちになったかを再確認した。今、日本でマスコミなどで取り上げられているイメージとは全く違うエアギターの姿。僕が純粋にカッコイイと思ったエアギターの全てが描かれているのだ。
エアギタージャパンを立ち上げたのが2005年の春。その数年前から、おそらく海外だからであろう、クソ重い映像をダウンロードして見ては興奮。初めて見たのはNHKかなんかのニュースあたりだろう。その頃からずっと頭の中から離れない激しいステージ。エクストリームな、例えるなら西海岸あたりのSK8のツアーを見るような感じ。
その後エアギタージャパンの認可をいただき、日本から世界へチャンピオンを送り込む事となる。その夏サマーソニックでエアギタージャパンファイナルを決行。8月下旬初フィンランドでオウルへ。そして右も左も分からぬまま、エアギターワールドチャンピオンシップが行われる本部へ。もう何から何までチンプンカンプンのまま物事が進んでいく。その足でトレーニングキャンプへ。本作品とは違う場所だったが、多分、ここがビヨルン・トゥロックやザック・モンローとのファースト・コンタクトだったのであろう。酷である。全く彼らの事が記憶に無いのだ。それは挨拶程度で終わったからである。英語が出来ないから得るものが無かった。…と間違った思い込みをしていた。そんな流れで現地予選、エアギターワールドチャンピオンシップと、輪に入り込めず終了。帰国してから考えた。「エアギターが好きだけじゃダメなのか?」日に日にその疑問は大きくなり、1つの答えが出た。
そして2006年ジャパンチャンピオンの大地洋輔君と一緒に現地予選に参加した。大地君も僕も予選突破(大地君は1位、僕は4位)。言葉なんかじゃない。喋らなくてもプレイだけでエアギタリストは分かり合える。現地予選の後、ビヨルン・トゥロックが提唱する「エアオケ」というカラオケでエアギターするというイベントに参加。そして僕はエアギタージャパンの設立者としてではなく、1人のエアギタリストとして、映画でも出てくる世界大会決勝の舞台へ立つことになる。そして我々は設立2年目にして優勝のタイトルを初めてアジアに持ち帰る。皮肉である。
この作品は、そんな世界大会初参加のアメリカがフィンランドへ世界チャンピオンを送り込むべくして行われた国内大会が主軸として描かれている。しかもアツイ。アツイ男たちの内なる闘志が完璧に剥き出しにされて。ビヨルン・トゥロックの格好悪い程の執着心が他の追随を許さない程に心に残る。しかし最後には実に格好良く見えてくるから不思議だ。この映画は今の日本のマスコミが作り上げたイメージを全くゼロにして見るべきである。僕が憧れたエアギター、現在の日本でのエアギター、違いは分かると思う。